コロナウイルスワクチン接種について

keyakirin

 今日、2月17日から日本でも新型コロナウイルス感染症のワクチンが医療従事者から先行接種されるという。
正直なところ、新型コロナの流行がこれほど長期間にわたって続くとは思っていなかった。せいぜい秋口か、年を越したあたりで鎮静化するだろうと漠然と思っていた。
しかし、第二波、第三波とパンデミックが拡大していまだ出口が判然としない。トンネルの出口は取りあえずワクチンの普及しかない感じがするけれど、果たして想定通りに抑え込めるか予想もつかない。
 仮に鎮静化できたとしても、それはウイルスに対する人間の勝利ということにはならないだろう。新聞によれば、世界での感染者数は一億917万人を超え、死者は240万人以上という。日本では感染者41万9691人、死者7157人となっている。(2月17日付)
想定外の大きさといえる。
 たとえコロナウイルスの抑え込みに成功したとしても、決して「台風一過」という具合にはならないだろう。コロナの後遺症は、さまざまな価値観や人生観、社会観が一変するきっかけを生じたのだと思う。
 
 人びとが「相集う(あいつどう)」こと、「共に食べ、共に語る」ことが悪とされる時代になった。コロナが去ったあとも、飲み・食い、かつ歌い、口角泡を飛ばして議論をする「習慣」はあまり見られなくなるかも知れない。
 かつて「戦前」「戦後」という区分で物を考える発想があったけれど「コロナ前」「コロナ後」という区分けがされるようになる気がしてくる。単なる疫病の流行という以上に世界史的な転換点にわれわれはいるという気がする。
 
鳥取県のワクチン接種は8日に注射器が到着し、22日以降の接種開始を目標として準備を進めているという。しかし一般への接種日程については具体的なめどは立っていないようだ。政府は関係機関と緊密な連携をし、いち早く体制を整えていただきたいと願わずにいられない。(I)