先日、3月26日、鳥取県内でも、桜の開花宣言がありました。
ご存じのように、鳥取地方気象台の桜の木の標本木‐鳥取城跡久松公園の桜の木に5輪以上の花が開花したということでした。
昨年(2018年)は3月24日開花、4日後の28日に満開となりました。
平年、鳥取県では開花が3月31日、満開は4月7日とのこと。
今年の桜の開花は昨年に続き早かったようですが、ここ数日の花冷えのような気温により満開時期は来週末頃になるように思います。
桜の花見は、春の陽気に誘われるように出かけたいものです。
桜を詠んだ短歌はたくさんあります。
中でも、私の好きな短歌を紹介します。
「世の中に たえて桜のなかりせば 春の心はのどけからまし」
作者 在原業平
(世の中に桜というものがなかったなら、春になっても、咲くのを待ちどおしがったり、散るのを惜しんだりすることもなく、のんびりした気持ちでいられるだろうに)
これには有名な反歌があります。
「散ればこそ いとど桜はめでたけれ 憂き世になにか久しかるべき」
(桜は惜しまれて散るからこそ素晴らしいのだ。世に永遠なるものは何もない)
「久方の 光のどけき 春の日に しづ心なく 花の散るらむ」 作者 紀友則
(こんなにも日の光が降りそそいでいるのどかな春の日であるというのに、どうして落着いた心もなく、花は散っていくのだろうか)
「葉桜を 愛でゆく母が ほんのりと 少女を生きるひとときがある」 笹井弘之
「さくら さくら さくら 咲きはじめ 咲き終わり なにもなかったような公園」 俵 万智
桜は美しい花ですが、一方で「はかなさ」「無常観」を表し、いつの時代にも人々の心をかきたてます。(I)